「AIにコードを書かせているけど、もっと効率よく使いこなす方法はないかな?」という悩みに対する答えとも言えるプロジェクトが、今GitHubで爆発的に注目を集めています。
その名は everything-claude-code(通称:ECC)。
GitHub★12万超、フォーク1万5千超。2026年1月のオープンソース公開からわずか2ヶ月でこの数字です。(2026/3/31時点)
この記事では、ECCとは何なのか、何ができるのか、そして実際の導入手順まで、非エンジニアの方にもわかりやすく解説していきます。
everything-claude-codeって何?
ひとことで言うと、Claude Codeの性能を最大限に引き出すための「設定パック」 です。
Claude Codeはそのままでも強力なツールですが、ECCを導入すると以下のようなものが追加されます。
- 30種類の専門エージェント:コードレビュー担当、セキュリティ担当、テスト担当など、それぞれの役割に特化したAIアシスタント
- 136種類のスキル:コーディング規約、バックエンドのパターン、フロントエンドのベストプラクティスなど
- 60種類のコマンド:
/plan(計画立案)、/tdd(テスト駆動開発)、/code-review(コードレビュー)など
たとえるなら、Claude Codeが「優秀なプログラマー1人」だとしたら、ECCを入れると「専門家チーム」になるイメージです。
作者は何者?
このプロジェクトの作者は Affaan Mustafa 氏(@affaanmustafa)

2025年9月にニューヨークで開催された Anthropic × Forum Ventures ハッカソンで、チームメイトの@DRodriguezFXとともに参加。100チーム以上の中から、Claude Codeだけを使って8時間で「zenith.chat」というAIプロダクトを開発し、優勝(賞金:$15,000分のAPI クレジット) を勝ち取りました。
その優勝の裏にあったのが、10ヶ月以上にわたって日々の実戦で磨き続けたClaude Codeの設定群——つまり、今のECCの原型です。
ハッカソン後、そのノウハウをXに投稿したところ、「The Shorthand Guide to Everything Claude Code」というスレッドが270万ビュー以上を記録。その後、設定をすべてオープンソースとして公開したのが、このリポジトリです。
なぜこんなに注目されているの?
ECCが爆発的に広がった理由は、主に3つあります。
1. 実戦で磨かれた「本物」の設定
よくある「理論だけの設定例」ではなく、実際にプロダクトを開発し、ハッカソンで優勝した実績に裏付けられた設定です。1,000以上のテストでカバーされており、品質も担保されています。
2. Claude Code以外のツールにも対応
ECCはClaude Code専用ではありません。OpenAI Codex、Cursor、OpenCode、Gemini CLIなど、主要なAIコーディングツールのほとんどに対応しています。「AGENTS.md」というファイルをプロジェクトのルートに置く規約により、複数のツールで同じ設定を共有できます。
3. セキュリティへの配慮
AgentShieldというセキュリティスキャナーも内蔵しており、AIエージェントの設定に潜む脆弱性やミスを検出できます。1,282のテストと102の静的解析ルールを備えた本格的なツールです。
具体的に何が入っているの?
ECCの中身を、非エンジニア向けにざっくり説明します。
エージェント(Agents)
特定のタスクに特化したAIの「役割」です。例えば:
- planner:機能の実装計画を立てる
- tdd-guide:テスト駆動開発をガイドする
- code-reviewer:コードの品質とセキュリティをチェックする
- security-reviewer:脆弱性を分析する
- build-error-resolver:ビルドエラーを解決する
- doc-updater:ドキュメントを自動更新する
スキル(Skills)
特定の知識やベストプラクティスをAIに教えるファイルです。言語別(TypeScript、Python、Go、Rust、Java、Kotlinなど)のコーディング規約や、フレームワーク別のパターンが含まれています。
フック(Hooks)
AIが特定のアクションを取る前後に自動実行されるスクリプトです。例えば:
--no-verifyフラグ付きのGitコミットをブロック- プロンプト内の秘密鍵パターン(
sk-、ghp_、AKIAなど)を検出 - リンター設定ファイルの無断変更を防止
コマンド(Commands)
スラッシュコマンドで呼び出せるショートカットです。
| コマンド | 機能 |
|---|---|
/plan | タスクの分解と計画立案 |
/tdd | テスト駆動開発の実行 |
/code-review | コードレビュー |
/security-scan | セキュリティ監査 |
/e2e | エンドツーエンドテスト |
/test-coverage | テストカバレッジの確認 |
/refactor-clean | デッドコードの整理 |
導入に必要なもの
- Claude Codeが使える環境(Anthropicの有料プラン)
- Node.jsがインストールされていること(フックの実行に必要)
- Gitがインストールされていること
導入手順(ステップ・バイ・ステップ)
ECCの導入方法は2つあります。簡単な方法から紹介します。
方法1:プラグインとしてインストール(おすすめ)
Claude Codeを起動して、以下のコマンドを順番に実行します。
bash
/plugin marketplace add affaan-m/everything-claude-code
bash
/plugin install everything-claude-code@everything-claude-code
スコープの選択画面が表示されたら 「Install for you (user scope)」 を選びましょう。これでどのプロジェクトでも使えるようになります。
💡 インストール後に「Unknown skill」と表示された場合は、
/reload-pluginsを実行してからコマンドを試してください。
インストールが完了したら、動作確認してみましょう。
bash
/plan "簡単な機能の実装計画を立てて"
Plannerエージェントがタスクを分解して計画を立ててくれれば成功です。
方法2:手動でファイルをコピー
より細かくカスタマイズしたい場合は、リポジトリをクローンして必要なファイルを手動でコピーする方法もあります。
bash
git clone https://github.com/affaan-m/everything-claude-code.git
ユーザーレベルにルールをコピー(全プロジェクトに適用):
bash
mkdir -p ~/.claude/rules
cp -r everything-claude-code/rules/common ~/.claude/rules/
自分の使う言語に合わせてルールを追加:
bash
cp -r everything-claude-code/rules/typescript ~/.claude/rules/
cp -r everything-claude-code/rules/python ~/.claude/rules/
⚠️ プラグインインストールでは「ルール」は自動配布されない仕様のため、ルールを使いたい場合はこの手動コピーが必要です。
Windowsでも使えるの?
はい、使えます。 ECCはv1.8.0以降、Windows・macOS・Linuxの全プラットフォームに正式対応しています。
すべてのフックとスクリプトがNode.jsで書き直されているため、OS依存の問題は基本的に解消されています。パッケージマネージャーも自動検出(npm、pnpm、yarn、bun)に対応しています。
Windowsで使う場合のポイント:
- Claude Codeのネイティブインストール + Git for Windows が前提
- フックの実行にはNode.jsが必要
- WSL環境でも問題なく動作
使う上での注意点
便利なECCですが、いくつか気をつけるポイントがあります。
すべてを一度に有効にしない
作者自身が強調しているのが、MCP(Model Context Protocol)サーバーの管理です。すべてのMCPを同時に有効にすると、200kのコンテキストウィンドウが70kまで縮小してしまう可能性があります。目安として、20〜30個を設定しつつ、プロジェクトごとに10個以下を有効にすることが推奨されています。
ECCのMCP設定についてはここをクリック
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ECCに含まれるMCP設定は、リポジトリ内の mcp-configs/ フォルダにまとまっていて、GitHub、Slack、Supabase、MongoDB、Google Cloud、Linearなど、外部サービスと連携するためのものです。
有効にする方法は、~/.claude.json(ユーザー設定ファイル)に使いたいMCPサーバーの設定をコピペして、APIキーなどのプレースホルダーを自分の情報に書き換える形です
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自分のワークフローに合わせてカスタマイズする
ECCは作者のワークフローに最適化されています。すべてをそのまま使うのではなく、自分に合うものを選んで、合わないものは外すのが正しい使い方です。
フックの厳格さは調整できる
環境変数 ECC_HOOK_PROFILE で、フックの厳格さを3段階(minimal / standard / strict)から選べます。最初は minimal から始めるのがおすすめです。
カスタマイズの方法の概要についてはここをクリック
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カスタマイズの方法は主に3つです。
1. 使わないスキルやエージェントを削除する ~/.claude/skills/ や ~/.claude/agents/ にコピーしたファイルのうち、自分に関係ないもの(例:Kotlinを使わないなら kotlin-reviewer)を消すだけです。
2. フックの厳格さを変える 環境変数一行で調整できます。
bash
export ECC_HOOK_PROFILE=minimal
minimal(ゆるめ)→ standard(標準)→ strict(厳格)の3段階です。
3. 特定のフックだけ無効にする
bash
export ECC_DISABLED_HOOKS=hook-id-here
記事上での対応ですが、今の「自分に合うものを選んで、合わないものは外すのが正しい使い方です」の後に一文だけ足すのがちょうどいいと思います。例えば:
具体的には、不要なスキルやエージェントのファイルを削除したり、フックの厳格さを環境変数(ECC_HOOK_PROFILE)で調整したりできます。
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Shorthand GuideとLongform Guide
ECCには、作者が書いた2つの詳細ガイドが付属しています。
Shorthand Guide(まず読むべき):セットアップの基礎と設計思想を解説。スキル、コマンド、フック、エージェント、MCPの基本的な使い方がまとまっています。
Longform Guide(上級者向け):トークンの節約テクニック、セッション間でのメモリ永続化、検証パターン、並列処理の戦略など、より深い活用法を解説しています。
どちらもリポジトリ内の the-shortform-guide.md と the-longform-guide.md からアクセスできます。
まとめ
everything-claude-codeは、Claude Codeを「AIコーディングツール」から「AI開発チーム」に進化させるプロジェクトです。
ハッカソン優勝という実績と、10ヶ月以上の実戦使用で磨かれた設定群は、ただの設定ファイル集ではなく、「AIエージェントをどう使えば最大限の成果が出るか」というノウハウの結晶です。
Claude Codeを使っている方はもちろん、AIコーディングツールに興味がある方は、ぜひリポジトリを覗いてみてください。
参考リンク


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