Dotsに何を任せると便利なのか。今回は公式情報とSNS・投稿サイトの具体例を確認し、僕がBlenderで作ってもらったサグラダ・ファミリアも紹介します。
先に要点をまとめると、Dotsの特徴は目的を伝えたあとも、必要な情報や道具を使いながら作業を続けられることです。ただし、どんな仕事でも放っておけば完成するわけではありません。何を任せ、どこを自分で確認するかが大切になります。
前回のOpenAI DevDay 2026まとめでは全体像を紹介しました。今回はDotsに絞って、実際の使い方を掘り下げます。
まずは実例:Blenderでサグラダ・ファミリア
僕がDotsに依頼した制作例が、この記事のアイキャッチにも載せたサグラダ・ファミリアの3Dモデルです。Blender 4.3.2で作成され、外観を複数の角度から確認できる静止画までできました。
中央の高い塔、周囲の尖塔、ファサードの装飾、色ガラスの表現。ひとつの完成画像だけでなく、同じ立体を別の方向から見られるところが、3D制作の面白い点です。

これは実測に基づく建築模型ではありません。18本の塔がそろった完成形をイメージした、サグラダ・ファミリアを題材とする創作的な近似モデルです。実際の施工状況や細部を正確に再現した資料としては使えません。

今回の制作では、外観モデルと静止画の完成まで約40分。その後、同じ3Dモデルを使った32秒の外観動画の制作に約20分かかりました。動画は1440×1080、24fps、音声なしです。この記事では静止画を掲載しています。
この時間は、あくまで今回1回の制作記録です。モデルの複雑さ、修正回数、実行環境、レンダリング設定で変わるため、「同じ時間で誰でも作れる」という意味ではありません。
Dotsの仕組みを、役割で考える
OpenAIのDots公式ページでは、DotsはGPT-6 Astraを基盤とし、会話の合間にも仕事を進めるエージェントとして紹介されています。ChatGPTのメモリーを出発点に、Codexや接続したツールを使い、進捗や判断が必要な点を利用者に返す仕組みです。
今回の3D制作も、Dotsという窓口に目的を伝え、作業環境でBlenderを使い、できたモデルや画像を確認する、と分けると理解しやすくなります。Dots自体を3Dソフトや動画生成モデルと同じものとして捉えると、役割が混ざってしまいます。
- 目的を伝える
題材・用途・ほしいファイル・制約を指定 - Dotsが作業を進める
使える環境やツールを確認し、制作と修正 - 成果物を確認する
画像・モデル・動画を開き、必要な変更を伝える - 完成条件を満たす
見た目だけでなく、形式・再編集性・権利も確認
一つずつ操作方法を聞く使い方に加えて、「この目的を満たす成果物を作って」と工程ごと任せられます。人間が先に決めておきたいのは、細かな操作よりも、完成したと判断する条件です。
SNS・投稿サイトで見つけた4つの使い方
ここからは、実際の公開投稿を確認できた事例です。投稿者本人による利用報告として紹介し、作業結果をこちらで再現・監査したものとは区別しています。SNSの画像や動画は転載せず、原投稿へのリンクを付けました。
1.請求し忘れていた仕事の請求書を準備
先行テスターのDan McAteer氏(@daniel_mac8)は、フリーランスの執筆仕事で未送信だった請求書にdotが気付き、メールから必要な情報を集めて草案を作ったとXに投稿しています。本人が承認したあと、PDFの請求書を送ったという報告です。
注目したいのは、文書を作る工程に加え、手元の情報から「まだ終わっていない作業」を見つけている点です。ただし、請求書の実物や入金まで確認できる投稿ではありません。金額や宛先は本人が確認する必要があります。
2.イベント参加の予定をまとめる
elvis氏(@omarsar0)は、DevDayへの参加にあたり、移動、セッション、面会予定の整理にDotsを使ったとXで報告しています。
予定の情報が複数の場所に散らばっているとき、それらを一つの行動計画にまとめる使い方です。この投稿から、交通や宿泊の予約・決済まで自動で完了したとは読み取れません。「予定を整理した」と「予約を確定した」は区別して見たいところです。
3.大量の文書レビュー中も、別の質問に対応
Redditのu/dry_towelette99は、数百件・数千ページ規模のPDFレビューを依頼し、途中で別の質問をしても元の作業へ戻って継続できた、と1日使った初期検証の投稿で報告しています。
一方、同じ投稿者の返信には、環境が空いても保留中の別タスクが自発的に始まらず、再度指示が必要だったという指摘もあります。文書の正確性やレビュー完了まで検証された実績ではなく、継続作業の可能性と、進捗確認の必要性が見える例です。
4.デザートは届いた。でも手間もかかった
Jane Manchun Wong氏(@wongmjane)は、Dots経由でデザートのカンノーリを注文し、品物は届いた一方、操作を手助けする場面が多く、約30分かかったとXに投稿しています。本人は、自分で注文した方が早かったと述べています。
これは、便利さを考えるうえで大切な例です。作業が完了しても、そのために何度も介入していれば、利用者の負担が減ったとは限りません。所要時間だけでなく、途中で何回手を貸したかも評価したいところです。
どんな仕事から試すとよさそう?
今回の公開事例と3D制作から考えると、まずは次のような、成果物を自分で確認できる仕事が試しやすそうです。これは本記事としての使い方の提案です。
- 資料を集めて整理する仕事:会議の下調べ、イベントの行程案、複数文書の比較など
- 複数工程がある制作:題材を決め、モデルや図を作り、画像として書き出す作業など
- 途中で情報が増える仕事:新しい資料を受け取り、前の案を修正していく作業など
反対に、すぐ自分で終わる単純操作では、説明や確認の時間が上回る場合もあります。最初から大きな仕事を丸ごと渡すより、小さな完成品を一つ作り、指示の通り方や確認の負担を見る方が判断しやすくなります。
依頼するときは「目的・納品物・確認点」をセットに
次の文面は、今回の制作を参考にした新しい依頼用のサンプルです。実際に送ったプロンプトの引用ではありません。
Blenderで建築モデルを作る指示例
Blenderで、サグラダ・ファミリアを題材にした3D外観モデルを作ってください。
用途はブログでの作品紹介です。実測模型ではなく、特徴を捉えた創作モデルとして作ります。
まず、使える実行環境と制作方法を確認してください。
全体の形が分かる簡単な試作を見せてから、細部を作り込んでください。
納品してほしいもの:
・再編集できるBlenderファイル
・全景と別角度のPNG画像
・制作方法、使った素材、再実行手順の説明
実物と異なる部分や、簡略化したところも教えてください。
有料サービスや素材、追加のPC接続が必要なら、実行前に相談してください。
外部への公開は、完成品を確認したあとに行います。
「リアルに作って」だけでは、写真のような質感なのか、構造の正確さなのか、何を重視するのかが曖昧です。用途と優先順位を伝え、途中の試作を確認する工程を入れると、方向違いのまま細部を作り込むリスクを減らせます。
公開事例を調べてもらう指示例
Dotsの具体的な使用事例を、SNSや投稿サイトから3〜5件調べてください。
本人の原投稿を確認し、次をまとめてください。
・何を頼んだか
・どこまでできたと報告されているか
・人間の手助けや失敗があったか
・原投稿のURLと確認日
公式の想定シナリオ、関係者の投稿、一般利用者の体験談を区別してください。
結果を確認できない部分は、推測で補わずに明記してください。
第三者の画像は、利用条件を確認せず転載しないでください。
使う前に確認したい、権限と料金
接続先は、必要なものから
Dotsは専用のクラウド環境で動き、手元のPCへの接続は任意です。OpenAIの安全性・プライバシーに関する説明によると、アカウントに影響したり情報を共有したりする操作はAuto-reviewで確認され、操作によって承認や本人の対応が必要になります。
「AIだから全部許可する」より、作業に必要なアプリとデータから接続する方が管理しやすくなります。購入や外部送信の条件は明確にし、パスワード変更や口座間送金など、本人が対応する操作もあることを理解しておきましょう。
個人プランでは会話や作業の学習利用が設定に左右されます。Business・Enterprise・Eduでは既定で学習に使われません。また、アプリの接続を解除しても、すでに取り込まれた情報まで消えるとは限らないため、接続する前に扱う情報の範囲を考えておきたいところです。
「会話」と「実際の作業」の利用量は別
2026年9月29日の発表では、最初のdotはProまたはBusiness Premiumのプランに追加料金なしで含まれ、dotとの会話自体はChatGPTの利用上限に算入されないと説明されています。一方、dotが開始・管理するCodexやChatGPT Workのタスクは、通常どおり利用量に計上されます。
最初の1か月は作業の上限が拡張されるとされていますが、あらゆる処理が無制限になるという説明ではありません。長時間の制作や複数タスクを試す場合は、自分のプランの利用状況を確認してください。
誰でも使える? 始め方は?
現行の公式ヘルプでは、対象地域のPro・Business Premiumと、管理者が有効にしたEnterpriseのベータが案内されています。EnterpriseにはEdu・Healthcareも含まれます。Proの対象はEEA・スイス・英国を除く市場で、段階的に提供されます。
最初のdotはChatGPTのデスクトップアプリかPCのWebブラウザから作成します。作成後、モバイルアクセスが提供されたアカウントではモバイルアプリでも会話できます。ただし、モバイルからの新規作成とモバイルWebは対応していません。メニューに見当たらない場合は、プラン、地域、組織設定、提供状況を確認しましょう。
まとめ:小さく任せて、できたものを見る
Dotsの使い方は、請求書の準備、予定の整理、文書レビュー、3D制作と幅があります。一方で、デザート注文のように、人間の介入が多くなったという報告もあります。
サグラダ・ファミリアの制作では、Blenderのモデルと複数の画像まで形になりました。こうした成果物があると、「AIに任せられるか」を、見た目、正確さ、修正のしやすさ、確認にかかる手間で具体的に評価できます。
目的を絞って依頼し、成果物を確認し、必要なところを直す。その一巡を小さく試すことが、自分に合うDotsの使い方を見つける近道になりそうです。
コードを使う映像制作に関心がある方は、ChatGPT・Codexで動画を作る方法を紹介した記事も参考にしてください。
参考資料
- OpenAI:Dots公式機能ページ
- OpenAI:Introducing dots(2026年9月29日)
- OpenAI Help Center:Getting started with your dot
- OpenAI:Dotsの安全性・セキュリティ・プライバシー
- X:Dan McAteer氏の請求書作成・送付の報告
- X:elvis氏のイベント参加準備の報告
- X:Jane Manchun Wong氏のデザート注文の報告
- Reddit:u/dry_towelette99の初期検証/保留タスクについての追記
情報確認日:2026年10月4日(日本時間)。機能、対象プラン、提供地域、利用上限は変更される可能性があります。掲載した3D画像は、実在建築を題材にBlenderで制作した創作モデルです。

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